成功事例から学ぶ!ヒットの秘訣や戦略からビジネスチャンスを探す

マーケティングの身近な事例や有名なヒット商品などそれぞれの成功の背景にある戦略や工夫を知ることは、どのようにマーケティング戦略を実行していくのかを考える上で参考になります。シンプルに考えると、適切なターゲットとセールスポイントを見つけることが大切です。

「マーケティング」でよく取り上げられている成功事例としてヒット商品をいくつか挙げると、スターバックス「季節限定フラペチーノ」、ユニクロ「ヒートテック」や「エアリズム」、ハーゲンダッツジャパンの「ハーゲンダッツ」などがあります。

これらは、Webサイトや本などにも頻繁に取り上げられていると思いますので、『インカレ+』がご紹介する『マーケティングは面白い!有名企業の身近な・最近のヒット商品の成功事例集』では、Webサイトや本などには載っていなさそうな事例を、独自の観点でご紹介していきます。

マーケティングの基本概念やフレームワークなどを学ぶことはもちろん大切ですが、楽しくマーケティングを学ぶことも重要かと思いますので、気軽に読んで下さい。

飛ぶように売れた秘訣や、快進撃を続ける知る人ぞ知るサービスやロングセラー商品などもご紹介できるかもしれません!

各回3~5つ程度、商品が流行した理由や成功の要因をご紹介していきます!

注意書き

ここで述べている内容は、あくまで個人の視点や考えに基づいたものです。一般的な意見とは少し違う部分もあるかもしれませんが、一つの参考としてご覧いただければ嬉しいです。マーケティングリサーチ観点からの考察が中心です!

セブンティーンアイス|江崎グリコ株式会社

江崎グリコさんのセブンティーンアイス。スイミングの帰り、駅のホームなど自販機がおいてあり、なんか欲しくなっちゃう子どものころお世話になった人も多いのでは?

セブンティーンアイスは、以下のような戦略で成功している⁉らしいです。

✅ロケーション戦略:日常空間への接点強化
・学生を主要ターゲットとし、駅や学校などの「日常空間」への自販機設置を強化。
・これにより、生活者の成長に合わせて接点を持ち続け、長く親しまれるブランドを維持。

✅商品戦略:顧客体験の向上
・屋外での消費を前提に、味の変化や濃厚な味わいなど、顧客の感情や行動を丁寧に読み取った商品開発。
・「クッキー&クリーム」など、顧客の声を反映した商品改良により売上拡大を実現。

✅コミュニケーション戦略:学生との共創
・学生との共創活動を通じて、商品のキャッチコピーやアイデア出しに学生を巻き込み、ターゲット層の価値観や感性への理解を深める。
・「カラフルチョコ<ミルク>」など、学生の意見を反映した商品が主力商品へと成長。

🔑 成長の根底にある理念
セブンティーンアイスの成長の根底には、「一人ひとりに合わせた、また訪れたくなる顧客体験」の追求がある?この理念に基づき、顧客のニーズを的確に捉え、柔軟に対応することで、長寿ブランドとしての地位を確立した?

🧭 戦略のポイントまとめ
・ターゲットの明確化:学生層を主要ターゲットとし、購買力のある層に注力
・顧客体験の重視:顧客の感情や行動を丁寧に読み取り、商品開発に反映
・共創活動の活用:ターゲット層との共創を通じて、価値観や感性への理解を深める
・ロケーション戦略の最適化:日常的に多くの人が利用する場所への自販機設置を強化

あわせて読みたい

進化し続ける「セブンティーンアイス」の知られざる世界 連載「#ふうかとあいす」

※外部のサイトですが、へぇ~という情報が多かったです。発売当初はなかなか売れなかったみたいです。

アリエール|P&G社

当たり前になった「除菌」。実は、P&Gさんの調査がそのきっかけだったのかも?という事例。

洗濯において「ニオイの元は菌」というのは今や常識ですが、それを初めて明確に訴求したのが、P&Gのアリエールだった⁉

これはまさに、シーズ発想で始まり、ニーズ理解で磨かれ、価値再定義によって市場を創造したマーケティングの王道的な事例です。

✅シーズ発想
「ニオイの原因は汚れではなく“菌”だった」という研究成果。
P&Gさんの調査で、生乾き臭の74%が洗濯槽からの移り菌と判明。
→科学的シーズをもとに、「除菌できる洗剤」という新たな価値軸を提案

✅消費者は「いらない」と言ったのに…
最初の調査(FGI)では、除菌機能は不要と31/32人が回答
でも――
「菌が多い服と少ない服、どちらをご家族に着せたいですか?」
→ほぼ全員が「菌が少ない方」と答えた
→ “ことばになっていないニーズ”を発見

✅「いい洗剤」の定義そのものを変えた
従来の洗剤評価軸は…

旧評価軸
汚れが落ちる → 白くなる
新評価軸(アリエール以降)
菌が除去できる → ニオイが残らない

消費者の頭の中にある“選ぶ理由”を、科学×心理インサイト×教育で塗り替えた。

「ニオイの元は菌」という一言で、洗剤に求められる価値を根底からひっくり返した。それが、アリエールのマーケティングが市場に与えたインパクトかも⁉

キレートレモン|ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社

キレートレモンは、ポッカサッポロフード&ビバレッジさんから販売されている人気商品。

2024年に過去最高の出荷数を達成。一部のメディアでは若年女性の間で人気上昇していると報じられていました。元々人気商品ではありましたが、価値の再定義などによって販売数が拡大しました。

✅何を変えた?
ブランドを「心・美・体を輝かせる レモン価値体感飲料」に再定義し、メッセージを一新

・3SKU を価値別に整理
・オリジナル=心(気分転換)
・MUKUMI=美(美容)
・クエン酸2700=体(疲労対策)​

✅どんな狙い?
・レモンの機能価値+情緒価値を同時に感じてもらい、購買シーンを拡大
・“自分に合う 1 本” が選びやすい棚を作り、新規ユーザー流入と買い回りを促進

ちょっと前までは、ビタミンCが取れるレモンドリンクという印象だったキレートレモンが価値を再定義しSKUを増やすことで、CEPを拡張できた?という好事例です。

用語解説

※FGI=「Focus Group Interview」 の頭文字を取ったもので、フォーカスグループインタビューのこと。座談会形式の定性調査。

※SKU=「Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)」の略称であり、在庫管理における「最小の品目数を数えるための単位」

※CEP=「カテゴリーエントリーポイント」は、商品やサービスを購入しようと思ったときにブランドを想起するきっかけやヒントのこと。

最後までお読み頂き、ありがとございました。最後に、筆者が所属しているマーケティングサークルについて少し宣伝させて下さい。

【最後に告知】全国の大学生がマーケティングについて学べるサークル

今回のテーマとは若干内容がそれますが、マーケティングに興味がある全国の学生向けのご案内です。

当記事も、マーケティングサークルの運営事務局で執筆していますが、メディアやSNSの運用を通してPDCAを回す経験やマーケティング系イベント・勉強会に参加することは、単純に学びがありますし、就活でも役に立つはずです。(今回の記事のような事例も多数教えてもらえとても勉強にるんです

各大学でもマーケティング関連のサークルは多数存在しますが、他大学でマーケティングに興味がある人達とつくる場も面白いし、学びが沢山ありますよ。

インカレ+では、気軽に参加できるゲストユーザからガッツリとマーケティングを学べる運営メンバーまで幅広く募集しています。インカレ+に参加して、マーケッターへの第一歩を一緒に歩みませんか!

最後までお読みいただきありがとうございました。